ロシア、シリアに長距離ミサイル26発 反体制派を攻撃か
反体制派のシリア人権監視団(本部・英国)によれば、7日のロシアによる空爆ではイスラム勢力が集中的に狙われた。同監視団の責任者は、標的となった地域にISISの拠点はないとしている。地上では、国際テロ組織アルカイダ系のヌスラ戦線を含むイスラム系の反体制派とシリア政府軍の間で激しい戦闘が行われていた。
ロシアは先に、ISISやヌスラ戦線など、国連安全保障理事会やロシアの法律でテロ組織とみなされた勢力を標的にすると述べていた。
ロシア国営のスプートニク通信によれば、シリアの駐ロシア大使は7日、ロシアの軍事作戦が始まって以来、ISISのインフラの約40%が破壊され、ISISはトルコとの国境方面へ後退していると語った。
これに対してトルコのダウトオール首相は同日、シリアでロシアがこれまでに行った空爆のうち、ISISが標的となったのはわずか3.5%に過ぎないとの見方を示した。ダウトオール首相はアナドル通信に対し、「これはISISに対する空爆ではない。ロシア空軍による57回の空爆のうち、55回は反体制派の穏健派が狙われた。ISISに対する空爆は2回のみだった」と話している。
在シリア米大使館も同日、記者団に対し「これまでのロシアの空爆では主に、ISISが存在する地域ではなく、穏健派のシリア反体制派が拠点を置く地域が狙われている」との見方を示した。