チベット仏教の未来「心配していない」 ダライ・ラマが言明
ロンドン(CNN) チベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ14世はロンドンでCNNとのインタビューに応じ、生まれ変わりの信仰に基づいて指導者を継承するダライ・ラマの制度は自分で最後になるかもしれないとしたうえで「何も心配していない」と語った。
ダライ・ラマはインタビューで、中国政府は依然として自分を政治的指導者とみなしているが、実際には2011年以降、精神的指導者の役割だけを果たしてきたと強調。「私は政治的な場面から完全に退いた。私だけでなく、400年来の伝統を持つ制度自体もだ」と語った。
チベット仏教の歴史はダライ・ラマの制度よりはるかに長いと指摘し、「将来はダライ・ラマなしでチベット仏教が続いていく」との見方を示した。
そのうえで、ダライ・ラマ制度については自分よりも中国政府の方が気にかけているようだと指摘した。
ダライ・ラマは今月訪米を予定していたが、出発前に検査入院して中止を余儀なくされた。インタビューは入院直前のタイミングで行われた。本人は現在インドに戻っている。信者らに語ったところによれば、健康状態は「極めて良好」だという。