チベット仏教の未来「心配していない」 ダライ・ラマが言明
中国政府はダライ・ラマを「反中国の分離主義者」と呼んで敵視してきたが、本人はインタビューで「我々は独立を求めてはいない。歴史的にみて我々が独立国家であることは、全ての歴史学者が知っていること。ただし中国政府系の学者は例外だ。かれらはその事実を受け入れようとしない」と語った。
また、チベットにとって中国の一部であることは「物質的発展のために有益だ。独自の言語や豊かな宗教性が確保されるという条件付きでの話だが」との考えを示した。
一方で、仏教の伝統がチベットほど純粋に受け継がれている国はないと語り、その伝統を守ることは中国の仏教徒全体に大きな恩恵をもたらすと述べた。
イスラム教をはじめとする他宗教の信者らとの関係については、「かれらに違和感を抱いたら、仏教の開祖ブッダの顔を思い浮かべることだ。ブッダならその人々を守り、助けるに違いない。我々もブッダに従うべきだ。国益は二の次だ」と主張。「イスラム教の方が心に響くという人々もいる。ならばイスラム教に従えばいいし、我々はそれを受け入れなければならない」と語った。