ロシア海軍船、米東海岸沿いに出現 海底ケーブル切断能力も
ワシントン(CNN) ロシア海軍の調査船「ヤンタル号」が先月、突然大西洋を横切って米東海岸沿いを航行したため、米海軍の情報部門に緊張が走っていたことが29日までに分かった。
この件は米紙ニューヨーク・タイムズが最初に報じていた。
米国防当局者らによると、米国の偵察衛星や偵察機、潜水艦が追跡したところ、ヤンタル号はキューバ沿岸まで南下した。ロシア軍艦が近年、このような動きを見せたことはなかったという。
米海軍情報当局によると、ヤンタル号は小型の潜水艇を複数搭載しているとみられる。潜水艇には、米国と欧州をつなぐ重要な海底ケーブルを切断する能力があるという。このケーブルは膨大な量の商業、軍事データの送信や、音声、インターネットによる通信サービスに利用されている。
米当局者らがCNNに語ったところによると、現時点でロシア側にケーブル切断の意図はないものの、米海軍に能力を見せつけようとしている可能性がある。
米海軍は数カ月前から、ロシアの潜水艦が活動を活発化させ、海底ケーブルへの接近を繰り返しているとして警戒を強めていた。