再会でよみがえる悲しみと後悔と――南北離散家族
アンさんは「私が何か間違ったことを口にすれば、妹たちに(北朝鮮当局からの)影響が及ぶ。それが心配だったから、話したり尋ねたりする内容には注意した。あまり自由に振る舞うことはできなかった」と話す。
南北境界線の向こう側で家族みんなが通ってきた何十年もの苦労を思い、会っている間に悲しみばかりが募っていったという。
「知らなければもっと穏やかな気持ちでいられた。知ってしまったから余計に悲しい。会わないほうがよかった」と、後悔を口にする。
3日間の再会で、一緒に過ごしたのはわずか数時間。すぐに別れの時がやってきた。
妹たちにはたぶんもう二度と会えないだろう。そう思うとひときわ悲しみが増した――と、アンさんは寂しげにつぶやいた。