ソマリア沖で漁船襲撃相次ぐ、海賊問題再燃か
(CNN) アフリカ東部ソマリア沖のアデン湾で、イランとタイの漁船が相次いで海賊に襲撃された。同海域では今月に入り、ほかにも2隻に対する襲撃未遂事件が発生しており、海賊問題の再燃が懸念されている。
9月には別のイラン船2隻がソマリア沖で海賊に襲われ、このうち1隻は船員が脱出できたが、もう1隻は乗っ取られたままだという。人質解放支援団体の専門家によると、アデン湾で海賊が襲撃を成功させたのは2年ぶり。事件はソマリア沖から200カイリ以上離れた地点で発生し、小型船を使って襲撃された。
この海域ではかつて海賊による船舶の襲撃が相次ぎ、米国人や英国人などが人質に取られて身代金を要求される事件が頻発した。
その後欧州連合(EU)や北大西洋条約機構(NATO)などの海軍がパトロールを強化し、警備員が乗船するようになったことを受け、襲撃は激減していた。
しかしソマリア沖で漁船の違法操業が横行していることなどから、事態が再び悪化する可能性は大きいと専門家は予想する。違法操業の規模は1981年に比べて20倍に達しているという。
今も海賊に拘束されている人質は約40人。4年以上前に乗っ取られた漁船のアジア人船員26人は、いまだに解放が実現していない。