パリ同時テロの首謀者ら、ビジネス街での自爆を計画か
捜査当局はまた、アブデスラム容疑者が事件当日、別の場所で自爆する計画だった可能性もあるとみて、詳しく調べている。過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」が出した犯行声明では実際にテロが起きた複数の現場に加え、パリ18区という地名が挙がっていた。
モンルージュの自爆ベストは、同容疑者が18区で使おうとしていたものの、何らかの理由で計画を中止したとも考えられる。ただ地元当局者によれば、ごみ箱の中身は週に1~2回収集される。ベストは事件から10日後の23日に発見されたことから、これまで捜査線上に浮かんでいない何者かが捨てた疑いもあるという。
捜査状況に詳しい仏情報筋によると、当局者らはアブデスラム容疑者が単独で逃走中とは考えにくいとして、ベルギーの組織が協力している可能性を探っている。同国では22日から23日にかけて数カ所で強制捜査が行われ、事件にかかわった疑いで21人が拘束された。
ベルギー当局はまた、事件に関連して逃走中とされるもう1人の男の名前と写真を公表した。この男はモハメド・アブリニ容疑者で、事件現場近くに乗り捨てられていた別の車を運転し、実行犯の1人をスタジアムへ送った疑いがあるという。