一方、米軍率いる欧米などの有志連合は2014年9月から空爆を実施してきた。だがその間も、ロシアが介入するまでテロ組織の大幅な支配地域拡大は続いたと同国当局者は指摘する。
欧米諸国は、ロシアが自国の利権のために、テロ組織だけでなくアサド政権と敵対する穏健派の勢力まで標的にしていると非難してきた。
ロシアには2つの目標があると思われる。1つはテロ組織の支配地域がこれ以上広がるのを阻止すること。阻止できなければロシアの安全も脅かされる。
もう1つは、政治的解決が実現した場合に備えてアサド大統領の地位を固め、ロシアの利権を守ることにあるとみられる。
事態がどのように収束していくのか、まだ展望は見えない。それでもロシアはアサド大統領が望む限り、ヘメイミーム空軍基地からの空爆を続ける意向だ。