「米国は差別の国」 武装組織、勧誘動画にトランプ発言使用
ビデオではまた、ミズーリ州ファーガソンやメリーランド州ボルティモアで最近相次いでいた、警官による黒人射殺や暴力などの映像も放映。これが米国のイスラム教徒の運命だとしている。
米国生まれで、イエメンのアルカイダ系テロ組織「アラビア半島のアルカイダ(AQAP)」を率いていた、アンワル・アウラキ師の生前のビデオメッセージも抜粋。米国のイスラム教徒の迫害を予言する内容となっている。同師は2011年、米軍の無人機攻撃で死亡していた。
トランプ氏の反イスラム教徒発言をめぐっては、民主党から大統領選に名乗りを上げているヒラリー・クリントン氏が先月、イスラム系テロ組織の宣伝に利用されていると指摘。だが、この主張はこれまで裏付けられていなかった。
ベン・ローズ大統領副補佐官(国家安全保障問題担当)は今回のビデオについて、「いかなる形であれ、米国がイスラム教と戦争しているとの考えを支持する内容を示唆すれば、テロ組織に利用される恐れがある」「米国はテロリストと戦っているのであって、イスラム教と戦争しているわけではない」と述べた。