厳戒態勢続くパリ、テロ犠牲者の追悼式 大統領ら参加
(CNN) フランスのパリで10日、昨年相次いだテロ事件の犠牲者を追悼する式典が開かれ、遺族や関係者など数千人が出席して犠牲者をしのんだ。フランスは今も非常事態宣言下にあり、会場となったパリ東部のレピュブリック広場周辺は厳重な警備が敷かれた。
この日の式典では、昨年1月に風刺週刊紙「シャルリー・エブド」やスーパーマーケットが襲撃された事件で死亡した17人と、11月に起きた同時テロで命を落とした130人を追悼。オランド大統領とパリのイダルゴ市長が、新たに植樹された樹木の前に花輪を供え、追悼の碑を披露した。
オランド大統領は犠牲者の遺族に声をかけ、パリ市内にあるモスク(イスラム教礼拝所)も予告なしに訪問したという。
レピュブリック広場は事件後、市民の追悼集会や言論の自由を訴える集会の場となっており、共和国のシンボルであるマリアンヌ像の前にはたくさんのろうそくや花束、犠牲者の遺影が並んでいた。
ジャーナリストの男性は現在のフランスについて「今も怒りと不安のはざまにある」と形容し、「パリ市民は以前のような暮らしを続けたいと願いながら、それが不可能なことも分かっており、とてもつらい状況に置かれている」と話した。