「一人っ子政策」の時代が残したもの 中国
中国・杭州(CNN) 中国で今月1日、「一人っ子政策」が正式に廃止され、全ての夫婦に2人目の子どもを持つことが認められるようになった。しかし30年以上にわたる同政策が残したものは、そう簡単に消し去れない。
北京市内の質素な部屋から、重々しい革命歌が響いてくる。歌っているのは約20人の「合唱団」。メンバーはほとんどが60歳以上だ。
合唱団を名乗っているが、彼らがここへ集まるのは歌うためというよりも、悲しみを慰め合うため。メンバー全員が、ただ一人の子どもに先立たれた親たちなのだ。
「悲しみを打ち消すことは決してできない」と話すのは、昨年31歳の息子を白血病で亡くした父親。「息子は生前、お父さんは生き続けてくれと言っていた。だからこうして参加している」と語る。
その声ににじむあきらめの心境は、ほかのメンバーにも共通する。