「一人っ子政策」の時代が残したもの 中国
一人っ子を失った今、家族の名を受け継いでくれる者はだれもいない。
中国では長年にわたり、一人っ子政策が容赦なく施行されていた。人権団体によると、人工中絶や避妊手術が強制されるケースも珍しくなかった。
経済的に余裕のある夫婦は、「社会扶養費」と呼ばれる罰金を支払えば2人以上の子どもを持つことができた。弁護士の呉有水(ウーヨウシュイ)氏は、これが地方当局の重要な収入源になっていたと指摘する。
呉氏は数年前、当局が社会扶養費を大幅に割り引いたとみられる例に遭遇したのをきっかけに、この制度が人口抑制ではなく、市民から金を集めるために使われてきたとの疑念を抱いたという。