自身からも1通だけ、在平壌のスウェーデン外交官を通して家族に手紙を送った。返事を待ち望んでいるというが、家族の代表者によると、その手紙はまだ届いていないようだ。
イム牧師は1986年に韓国からカナダへ移住。トロントの教会で牧師を務め、北朝鮮には100回以上渡航していた。昨年1月末に中国経由で北朝鮮入りしたのも、通常の人道支援プロジェクトが目的だったとされる。
終身刑を言い渡されてからも信仰は失わず祈り続けているが、北朝鮮への見方は変わったと話す。「北朝鮮の人々は指導者を神格化し過ぎると思っていた。しかし金日成主席と金正日総書記の回顧録を読んで分かったのは、両氏とも決して自分を神とは呼んでいなかったことだ」という。
「あなたが犯した最大の罪は、北朝鮮の最高指導者を悪く言ったことだと思うか」との質問には「そう思う」と答え、「いつか帰還できるよう願っている」「家族や教会のメンバーにもう一度会いたい」と話した。
韓国と北朝鮮が和解し、これ以上自分と同じ思いをする人が出ないよう、毎日祈っているという。
家族へのメッセージを収録するよう勧めると、カメラを見る目に涙をため、「家族が私にとってどんなに大切かを痛感している」「家族は神様からの大事な贈り物。彼らに愛していると伝えたい」と語った。