平壌(CNN) 北朝鮮で昨年拘束され、体制転覆を図った罪で年末に終身刑を言い渡された韓国系カナダ人のイム・ヒョンス牧師(60)が、このほど初めて外国報道陣との会見に臨んだ。
部屋のドアが開くと、イム牧師が看守2人に連れられ、足を引きずるように入ってきた。見下したような態度を示す看守に、イム牧師は目を伏せ、弱々しく従っている様子だった。
事前に聞かされてはいたものの、我々にとってイム牧師がこのような扱いを受ける姿は衝撃的だった。
会見前の30分間、我々は北朝鮮当局に、本人の率直な声が聴きたいと交渉を申し入れた。だが会見の形式は変えられないというのが、当局の答えだった。
看守は大きな会議用テーブルのはるか向こう側にイム牧師を連れていく。1人が「座れ」と命じ、イム牧師が座った。続いて「立て」という号令。イム牧師はそれを予想していたかのように、ためらいなく立ち上がった。看守は再び「座れ」と号令をかける。