飢餓の町に支援物資届く、3カ月ぶり シリア
(CNN) 内戦が続くシリアで政府軍に包囲され、餓死者が相次いでいると伝えられた西部の町マダヤに11日、昨年10月以来3カ月ぶりとなる人道支援物資が到着した。国連関係者が明らかにした。
国営シリア・アラブ通信(SANA)によると、支援物資を積んだトラック65台がマダヤなど3つの町に入った。マダヤには現地時間の11日午後5時半ごろ、トラック4台分の食料や毛布が届いたという。医薬品などを積んだ残り44台も間もなく到着する見通し。
国連難民高等弁務官事務所によれば、マダヤには49台分の支援物資が届けられている。国連の世界食糧計画(WFP)と国際赤十字、シリア・アラブ赤新月社の車列が郊外に待機して、4万人の住民を1カ月間支えられるだけの支援物資を提供する。
国連関係者によれば、同じ量の支援物資が北部イドリブ県のフアとケフラヤにも届けられているという。政権側が支配するフアとケフラヤは、反政府勢力に包囲されてマダヤと同じような窮状に陥っていた。
マダヤの状況を巡っては、餓死したとされる住民の写真などが投稿されて世界に衝撃を与えた。現地の医師は、患者に提供できるものは砂糖や塩水しかないと証言。シリアの活動家は、骨と皮になってあばら骨が浮き出た少年の映像を公開していた。
政府軍と武装勢力の戦闘はこの日も続いた。反体制派のシリア人権監視団によると、北部の都市アレッポの郊外で学校が11日に空爆され、子ども少なくとも12人を含む15人が死亡した。
ほかにも多数の負傷者が出ているほか、がれきの下敷きになってまだ安否が確認できない人も多数いることから、犠牲者はさらに増える可能性があるという。