台湾初の女性総統が誕生へ、民進党の蔡氏が勝利宣言
台北(CNN) 16日投開票の台湾総統選で独立志向の野党・民進党の蔡英文(ツァイインウェン)主席が勝利を宣言し、史上初の女性総統が誕生する見通しとなった。
台湾の中央通信によると、与党・国民党の朱立倫(チューリールン)主席は16日深夜に敗北を宣言した。
蔡氏がステージ上で勝利を宣言すると、街へ繰り出した支持者らは旗を振り、歓声をあげて喜び合った。
正式な開票結果は発表されていないが、出口調査によると蔡氏が大差で朱氏を破ったとみられる。
同時に実施された立法院選でも、国民党は過半数を維持することができず敗北したとみられる。立法院選では113議席に対し、556人という記録的な数の候補者が立候補した。
蔡氏は選挙後の記者会見で、台湾と中国は「互いに認め合えるような交流の道を全力で見つけ、挑発や不測の事態が起きないようにする責任がある」と強調した。
国民党の馬英九(マーインチウ)総統は5月20日に任期満了を迎える。馬総統が2期8年間に及ぶ任期中に進めてきた対中融和政策に対し、抗議デモも起きていた。
若い世代は中国の影響力拡大に強い警戒心を抱いている。一方、選挙で「対中関係を悪化させる可能性が低い国民党に投票した」と話す高齢の退役軍人もいた。
蔡氏は米国で法学を学んだ経歴を持つ穏健独立派。最大の貿易相手国である中国と主要同盟国の米国、さらに住民からの多様な要望の間で、難しいかじ取りを迫られることになる。