ローマ法王とロシア正教会総主教が初会談 教徒の保護訴え
ロシアや米国などが11日に合意に達した、シリア内戦をめぐる「敵対的行為の停止」については言及しなかった。ただ両者は、中東紛争に関与するすべての勢力に対し、「誠意を見せて交渉に参加する」よう促した。中東で代理戦争を展開するイランとサウジアラビアの一部勢力に言及した可能性がある。
今回の会談は、開かれた対話を外交の柱とするフランシスコ法王にとって大きな成果といえるが、リスクも伴う。批判者はキリル総主教とロシアのプーチン大統領が近い関係にあると指摘。法王を使って正教会教徒の間での存在感を高め、西側諸国で人気を集めるのが狙いだとしている。
ただ、カトリック教徒と正教会教徒の多くは今回の会談や共同宣言について、1054年に東西教会が分裂して以来の両教会の関係再開に向けた重要な一歩だとして歓迎している。