ジカ熱で視覚障害の可能性も、新生児全員に検査を勧告
(CNN) 中南米で流行している感染症「ジカ熱」に関連して、ブラジルで生まれた小頭症の新生児多数に深刻な網膜の病変が確認され、失明につながる恐れもあることが分かった。ブラジル・サンパウロ連邦大学などの研究チームが米医学会誌に発表した。
小頭症の乳児は発達障害のほか、視覚や聴覚の問題も指摘されている。しかし専門家によると、網膜の病変はそうした症状とは別だという。
米ノースウェスタン大学のリー・ジャンポル氏によると、乳児の検査では35%以上に、目のウイルス感染による病変の痕跡が確認された。ジャンポル氏はこれについて、「脳の小頭症による目の発達の遅れに関連した症状とは大幅に異なる。過去にエボラや西ナイルウイルスで確認された症例に似ている」と指摘する。
エール大学のアルバート・コー氏は「ジカ熱の影響が脳だけにとどまらないことが証明された」と述べている。
研究チームはジカ熱が流行しているブラジル・サルバドールで12月に生まれた小頭症の新生児について検査を実施。母親は6人を除いて全員が妊娠中にジカ熱に感染した痕跡があった。ジカ熱は感染しても5人中4人は症状が出ない。