難民1万人超、ギリシャで立ち往生 西欧入りの手続き進まず
シリア北部アレッポから20歳の妻と1歳の息子を連れてやって来たというアフメドさん(27)も、越境の見通しが立たないと嘆く。町が攻撃を受けて住民らが裸足で逃げ出した時、アフメドさんのポケットには身分証明書が入っていたが、妻は取ってくる時間がなかった。このままだと手続きが通る可能性は低い。
「こんなことになると分かっていたら来なかった」と話すアフメドさんは、父母や兄弟を思って涙を流した。
一方、エーゲ海では6日、ギリシャを目指す難民船がまた転覆した。トルコのアナトリア通信によると、船はトルコ西部ディディム沖で沈没し、少なくとも25人が死亡。トルコの国境警備隊が船やヘリコプターを送り込み、15人を救助したという。
国際移住機関(IOM)によると、昨年1年間に地中海を渡ろうとして死亡した難民は3700人以上と、過去最高を記録した。今年もすでに418人の死者が報告されている。