地中海渡航中に死亡した難民、昨年は3771人と過去最高
(CNN) 国際移住機関(IOM)は9日までに、欧州を目指して地中海を船で渡航中に死亡した北アフリカ諸国などの移民や難民は昨年3771人の過去最高を記録したと報告した。1日当たり10人以上死亡した計算となる。
2014年の該当数字は3279人だった。
IOMの声明によると、15年の犠牲者の4分の3以上はリビア沿岸で活動する密航業者の利用が多い地中海の中央ルートの海域で発生した。
同機関は先月、海路や陸路で欧州へ入った移民や難民は昨年、100万人の大台を突破したと報告。大半は地中海経由だった。このうち約50万人は内戦を逃れたシリア人で、総数の5分の1がアフガニスタン人、イラク人が7%を占めた。
IOMはさらに今月5日、違法な海路の手段などで欧州に到着した移民らは昨年通年で100万4356人に達したと発表。14年の21万9000人に比べ約5倍の水準だった。
昨年4月には移民ら約1250人が死亡し、月間では最悪の数字を記録していた。リビア沖で推定800人が乗る船が転覆した事故が大きな要因となった。
IOMによると、世界全体を見た場合、海上で死亡した難民らの人数は昨年、推定で5350人。地中海に次いで多かったのは東南アジアの海域だった。仏教徒が多数派を占めるミャンマーで国民と認められていないイスラム教徒の少数派ロヒンギャ族がマレーシアなどの近隣国へ海路で逃れる例が目立った。