仏当局、操縦士への守秘義務規定見直しを勧告 独機墜落受け
当局にとって大きな問題は、こうした医師が患者と交わした秘密保持契約により、ルビッツ副操縦士の精神状態について当局や航空会社に報告できなかったことにあった。
報告書では、「当局も雇用主も、本人または医師、同僚、家族から一切報告がなかったために、副操縦士を事故当日に勤務させない対応を取ることができなかった」と結論付けている。
患者の健康状態に関する個人情報保護と、その患者の勤務にかかわる公衆安全対策との微妙なバランスについては当局も認識している。
フランスの捜査当局は欧州航空安全局(EASA)と欧州の加盟国に対し、患者の健康状態が公衆安全に影響を及ぼす可能性が極めて高い場合、精神疾患を持つ操縦士の医療情報に関する守秘義務を解除するよう勧告。精神疾患歴のある操縦士については健康診断の回数を増やすことも提言した。
最終報告書には、経済的、職業的反動から操縦士を支えるための対策も盛り込まれている。
航空各社は今回の報告書をもとに、ジャーマンウィングス機のような事故の再発防止策を検討する。