仏当局、操縦士への守秘義務規定見直しを勧告 独機墜落受け
(CNN) フランスで起きた独ジャーマンウィングスの旅客機墜落から1年を前に、フランスの捜査当局が13日、最終捜査報告書をまとめ、同機のアンドレアス・ルビッツ副操縦士(当時27)が墜落の2週間前に精神科の治療を受けるよう医師に勧告されていたことを明らかにした。
報告書では、現在の守秘義務規定が医師による患者の健康問題についての報告を妨げていると指摘し、同規定を見直すよう勧告している。
ジャーマンウィングス9525便は2015年3月24日、スペインのバルセロナからドイツのデュッセルドルフに向かう途中でフランスのアルプス山間部に墜落し、搭乗していた150人全員が死亡した。
報告書では、現場から回収されたデータレコーダーの情報をもとに、ルビッツ副操縦士がコックピットから機長を締め出し、故意に同機を墜落させたと断定した。
ルビッツ副操縦士は2014年6月にジャーマンウィングスに採用された。フランス・マルセイユ検察によれば、同副操縦士には重度のうつの病歴があり、墜落に至るまでの5年間で計41人の医師にかかっていたことが分かった。
ドイツ警察の捜査では、自宅の捜索で抗うつ薬が発見されたほか、心身症のため「職務不適格」とした眼科医の診断書も見つかった。
フランス航空事故調査局(BEA)によると、ルビッツ副操縦士の視覚障害や睡眠障害については開業医が「心身症および不安症」と診断し、精神衛生の専門医を紹介していたという。