トルコとEU、難民対応で合意
(CNN) 欧州連合(EU)とトルコ当局者は18日、シリア難民流入への対応策で合意した。最終合意は、欧州がトルコに難民1人を送還するごとにトルコから難民1人を受け入れるとする原則が柱。
EUのドナルド・トゥスク大統領は同日、ツイッターで、「今回の合意ですべてが解決するわけではないが、移民に関するEUの包括的戦略の一部になる」と述べた。
合意に向けた交渉ではトルコのダウトオール首相やトゥスク大統領らが協議。トゥスク大統領によると、最終的な文言はEU加盟28カ国の代表者が全会一致で承認した。
今回の協議は第2次世界大戦以後、最大規模の欧州への難民流入に対応するために行われた。ただ、欧州に逃れた難民が100万人超に対し、トルコで登録された難民は270万人以上に上る。トルコにとっては、難民対応の金銭面での支援やEU加盟入りに向けた関係強化の点で重要な協議となった。
トルコのダウトオール首相は18日、協議前に記者団に対し、「トルコとEUの関係深化だけでなく、すべての難民を助けることがわれわれの目標だ」などと述べていた。
トゥスク大統領は最終合意について、「キプロスの懸念を考慮したバランスの取れた提案だ」とし、トルコのEU加盟にも触れたとしている。また「欧州にいるすべての移民は一人ひとり個別に対応を受け、全面的に尊重され丁重に取り扱われる」とも述べた。
最終合意は、欧州からトルコに難民1人を送還するごとに欧州がトルコから難民1人を受け入れるという「1対1の原則」に基づき、20日から段階的に実施される見通し。