エジプト航空機ハイジャック 男を逮捕、乗客乗員は全員無事
カイロ(CNN) エジプトの北部アレクサンドリアから首都カイロへ向かっていたエジプト航空の旅客機が29日にハイジャックされた事件は、旅客機が着陸したキプロスの空港でその日のうちに乗客、乗員全員が無事解放され、容疑者の男が逮捕された。
キプロスの国営テレビは、白いシャツを着た容疑者が警官の一団に連行される映像を伝えた。大統領報道官によると、男はエジプト人のセイフディン・ムスタファ容疑者(58)。キプロス外務省の高官は、男が爆発物で武装していると主張したのはうそだったと述べた。
ムスタファ容疑者の動機は元妻との個人的な問題だったとみられる。キプロス運輸省の報道官は、ハイジャックはテロとは無関係だと述べた。
同国外務省の危機管理部門責任者がCNNに語ったところによると、同容疑者は精神的に不安定な状態で、要求も二転三転した。この中には、燃料を補給してトルコのイスタンブールへ飛べという要求もあった。当局は容疑者が元妻と話せるよう手配したという。本人は現在、キプロス当局に拘束されて取り調べを受けている。
エジプト外務省は声明で、ムスタファ容疑者には犯罪歴があると指摘した。治安筋によると詐欺や身元詐称、窃盗、薬物関連の前歴があるという。
旅客機はエアバス320型機で、乗客55人と乗員15人が搭乗していた。キプロスに着陸してから乗客のうちまず女性と子ども、続いてエジプト人が解放され、最後に一部の外国人乗客らが残されていた。乗客らは29日夜、カイロに無事到着した。