スーチー氏が新設の国家顧問に就任、軍反発 ミャンマー
(CNN) ミャンマーの与党・国民民主連盟(NLD)のアウンサンスーチー党首が7日までに、省庁や政府機関、個人などに助言を与える権限を持つ新設の国家顧問に就任した。
スーチー氏は軍事政権下で定められた現憲法の規定で大統領就任を阻止されており、国家顧問はNLD政権を仕切る公式の肩書とも受け止められている。国家顧問の地位はNLDが多数派を握る国会で創設された。
これに対し国会の4分の1の議席を有する軍は、国家顧問のポスト創設は憲法で定められる権力分散の原則に背くものと反発。国会での強硬的な法案提出やその承認は民主主義を威嚇するものに等しいと非難した。
現憲法は、外国籍の家族を持つ人物の大統領就任を禁止している。スーチー氏の亡夫や息子2人は英国籍となっている。
国家顧問のポスト創設については国内からも異論が出ている。地元紙「ミャンマーの新しい灯」は新政権は権力基盤を固めるよりも、政治犯釈放など国民の利益になる新法成立を図るべきだと注文を付けた。
また、NLDはイスラム教徒の少数民族ロヒンギャの窮状を座視しているとの批判もある。仏教徒が多数派のミャンマーで同民族は国籍が認められないなどの迫害を受けている。
NLDは昨年11月の総選挙で大勝を収め、今年3月にはスーチー氏の側近であるティンチョー氏が同国初の民選大統領に就任していた。