買春は違法、売春は処罰せず フランスで法案通過
(CNN) 売春などの性関連サービスに客が対価を払う買春を禁止する一方で、性労働者に対する罰則を廃止する法案がフランスで成立した。欧州では同様に、買春を犯罪として処罰する国が増えている。
同法案は6日、64対12の賛成多数でフランス国民議会を通過した。性関連サービスに対価を払った者には罰金1500ユーロ(約18万円)、再犯者に対しては最大で3750ユーロ(約46万円)の罰金を科し、性労働者の窮状について学ぶ講習会への出席も義務付ける。
一方で、性労働者に対する罰金や禁錮などの刑罰は廃止した。売春産業から抜け出したい外国人の性労働者には半年間の在留許可を与え、売春防止のために補助金を拠出する。
同法案を巡っては論議が紛糾し、2013年以来、上下両院の間を法案が行ったり来たりしていた。
ツイッターではパリ市民から「悪いのは客だということがやっと理解された」と評価する声がある一方で、売春は合法だが買春は違法という内容に対して「まるでパン屋が商品を陳列するのは許しても、客が買うことは許さないというようなもの」と批判する声もある。
欧州ではほかにもスウェーデン、ノルウェー、アイスランド、英国の少なくとも4カ国で買春が禁止されている。