香港、民主派学生運動リーダーが新党結成
香港(CNN) 2014年に香港で起きた行政長官選挙の民主化を求める「雨傘運動」の指導者の1人がこのほど、新しい政党の立ち上げを発表した。
雨傘運動の中心となった学生団体「学民思潮」のリーダーだった黄之鋒(ジョシュア・ウォン)さんが結成した新党の名は「デモシスト」。香港の「自決権を求めていく」としている。
「これは私たちの重要な政策だ。もし私たちが自決権を求めて戦わなければ、私たちの未来は中国共産党が決めてしまうだろう」と黄さんはCNNに述べた。
新党のポスターは米映画『ハンガー・ゲーム』のポスターを模したもので、共同創立者のアグネス・チョウさんがヒロインに扮し、「人民が町を包囲するだろう」とのスローガンが躍っている。
黄さんが掲げる新党の最初の目標は、学生や若い世代を超えて支持層を広げ、中国に対する香港の一定の自治権を認める「一国二制度」の存続について住民投票の実現を求めていくことだ。現行の同制度は、2047年に期限切れを迎える。
昨年、香港の立法会(議会)は中国政府主導の選挙制度改革法案を否決。改革案では普通選挙を限定的に導入することがうたわれていたが、中国政府が認めた候補しか立候補できない内容で、民主派からは「ばかげている」との批判が出ていた。
そうした中、香港では「本土派」と呼ばれる新しい政治勢力が台頭している。一国二制度の枠内で発言力の拡大を求める民主派と異なり、本土派は同制度には欠陥があると批判。中国側が香港への締め付けを強化していると主張し、2月には繁華街、旺角(モンコック)で警察と衝突する事件も起きている。