ISIS、英独伊にも下部組織 米国家情報長官
ワシントン(CNN) 米国のクラッパー国家情報長官は25日、過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」は最近テロの現場となったフランスやベルギーだけでなく、英国やドイツ、イタリアにも秘密の下部組織を持っているとの見解を示した。
クラッパー氏は記者団との朝食会で、3月にベルギーの首都ブリュッセルで同時テロを実行したようなISISの下部組織が英国やドイツ、イタリアにもあるかとの質問に「ある」と答えた。さらに、こうした国でISISによるテロ計画を示す証拠が相次いで見つかっていると述べた。
同氏はまた、ISISが欧州の難民危機に便乗している面もあり、関係各国はそれを認識しつつあると語った。
ワシントン近東政策研究所のマシュー・レビット氏は、ISISが英国などで活動しているというのは新たな情報ではないものの、クラッパー氏がそう明言したのは初めてだと述べた。また、テロ容疑者はフランスやベルギーだけでなく、英国やドイツでも逮捕されていると指摘した。
オバマ米大統領は同日、訪問先のドイツ北部ハノーバーでの演説で、ISISを「我々の国にとって最も差し迫った脅威」と呼び、欧州が対ISIS掃討作戦に貢献していることを認めたうえで、「北大西洋条約機構(NATO)を含む欧州諸国にはまだできることがある」と強調。テロリストが国境を越えて移動するのを阻止するため、欧州内や米国との情報共有に向けて必要な措置を取る必要があると述べた。