ロシア軍、シリア国内で変わらず存在感 ヘリ・戦闘機が展開
スホイ24は昨年、領空に侵犯したとしてトルコ空軍戦闘機が撃墜、北大西洋条約機構(NATO)とロシアの対立を高める機種ともなっていた。この事件を受けロシア軍がシリアに派遣したのが戦闘機「スホイ35」だった。空中戦能力に優れていると言われ、シリアでは爆撃機数の護衛任務に再三就いている。CNNはフメイミム空軍基地で少なくとも6機のスホイ35を確認した。
2人乗りの戦闘ヘリ「ミル28」はシリアに展開するロシアの空軍戦力に新たに加わったもので、誘導ミサイルや強力な機関砲などの兵器を装備している。同基地の上空を終始飛行している様子が見られたが、シリアに派遣された機数は不明。フメイミム空軍基地を離陸する軍用機が安全高度に達するまで随伴飛行する役目を負っているとみられる。
また、同じ攻撃型ヘリ「ミル24」も配備されている。シリア軍の地上部隊を支援し、敵兵力の破壊に従事しているとされる。同ヘリの実戦配備は1970年代で、旧ソ連のアフガニスタン侵攻などにも動員された。シリアに送られているのは最新型機種とされる。
さらに、今回の取材ではシリアの各地でロシア地上部隊の増強が進んでいる兆候も見てとれた。地上部隊兵士の総数は不明だが、少なくとも数千人規模の可能性もある。パルミラの旧市街近くには新たな陣地が築かれ、近辺の町などに埋設された地雷除去の拠点ともなっていた。数十台の戦闘用車両や装甲兵員輸送車両の他、最新式の対空ミサイルも装備されていた。