オバマ米大統領、広島へ 核兵器の脅威訴える機会に
26日に開幕した主要7カ国(G7)首脳会議(伊勢志摩サミット)で記者会見したオバマ大統領は、「原爆投下、核兵器の到来は、近代史における転換点だった」と述べ、人類がそれを繰り返すことがあってはならないと強調。「我々すべてが何らかの形でこれに対峙(たいじ)しなければならない」「もちろん冷戦時代、両親や祖父母が頻繁に訓練を行っていた時代に比べれば、私たちの思考に及ぼす脅威は弱まっている。だが核をめぐる問題は、私たちの想像の背後に今なお重くのしかかっていると思う」と語った。
オバマ大統領の広島訪問は、任期最後の年に当たり、米国に対する長年の反感を和らげたいという思いの中で実現した。キューバ、ベトナム、アルゼンチンへの訪問ではいずれも和解のメッセージを伝え、米国に対する長年の敵意にとらわれない若い世代にアピールした。
日本もアジアの近隣国との間で、いわゆる従軍慰安婦など第2次世界大戦中の事象に関する認識の違いについて、解決に向けた取り組みを進めている。
日本では沖縄県の米軍基地に勤務する男が日本人女性を殺害したとされる事件について、安倍首相が25日の記者会見で強い憤りを示し、オバマ大統領はこれに哀悼と遺憾の意を表明した。ただしその内容は、米軍の日本駐留に対する包括的な遺憾の意を示すものではなかった。
安倍首相はオバマ大統領の広島訪問について、「悲しみの感情の表現」を期待すると述べた。だが一方で、旧日本軍が1941年に米海軍施設を奇襲したハワイの真珠湾を訪問する確固たる計画はないと話している。