オバマ米大統領、広島へ 核兵器の脅威訴える機会に
志摩(CNN) 米国による原爆投下から70年あまりを経て、オバマ米大統領が27日、現職の米大統領として初めて被爆地・広島を訪問する。
オバマ大統領の広島訪問により、人類史上、最も悲惨な記憶の一つが脚光を浴びる。核兵器は誤った使い方をされれば今も世界的脅威になるという現実を世界に思い起こさせる狙いもある。
オバマ大統領は広島市の平和記念公園で原爆慰霊碑に献花して短い所感を述べ、離れた場所から原爆ドームを視察する。
被爆者数人とも面会する見通しだが、どの程度の交流になるのかは分からない。被爆者の多くは、同大統領に自分たちの話を聞いてもらいたいという思いを強く訴えていた。オバマ大統領の広島滞在は3時間足らずとなる見通し。
米当局者によれば、原爆使用についてオバマ大統領が謝罪する予定はない。歴史学者の多くは、原爆によって第2次世界大戦が終わり、人命が救われたと主張する。広島の数日後に長崎に原爆を投下し、さらに何万人もの命を奪った事実についても、オバマ大統領はあえて言及はしない。
もしオバマ大統領が謝罪すれば、大統領選を控えた米国で政治的論争に火が付くのは確実だ。中国や韓国など、やはり第2次世界大戦で多くの人命が奪われた国から当時の敵国に対して謝罪を要求する声も高まることが予想される。
オバマ大統領が広島訪問を計画していた段階から、広島と長崎で死亡した数万人の朝鮮半島出身者にも個別に言及するよう、オバマ大統領に求める声が遺族から上がっていた。