イラク軍、ISISから空軍基地を奪還 モスル解放へ前進
バグダッド(CNN) イラクのアバディ首相は9日、イラク軍と対テロ部隊が米軍の上空援護を受け、過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」に占拠されていた北部モスル近郊のカイヤラ空軍基地を奪還したと発表した。
国営放送のイラキーヤTVが同日、対テロ部隊報道官の話として伝えたところによると、作戦ではISISの戦闘員少なくとも38人を殺害。機関銃を載せたトラック4台を破壊し、即席爆弾100発以上を爆破処理したという。
現場は国内最大級の空軍基地で、イラク軍が中部ファルージャに続き奪還をめざすモスルから約65キロ南方に位置している。今後の作戦で軍や米主導の有志連合が使えるようになることから、モスル奪還へ向けた大きな成果ととらえられている。
アバディ首相はモスル対岸の古代都市ニネベの住民らに対し、奪還作戦に備えるよう呼び掛ける声明を発表。「ISISをファルージャから追い出し、かれらが砂漠をネズミのように逃げ去ったのと同様に、モスルでもISISを撲滅する」と述べた。
イラク軍はクルド人部隊や米軍と協力して、数カ月前からモスルを奪還する作戦の準備を進めてきた。
米政府高官によると、オバマ米大統領は先月、モスル奪還作戦に向けて訓練や助言、支援を提供する米軍要員を今年中に数百人増派する可能性について、「排除しない」と述べていた。