不倫男性に「名誉殺人」、腕など切断 パキスタン
イスラマバード(CNN) パキスタンの警察当局は21日までに、既婚の24歳男性が夫を持つ女性と性的関係を持ったとして男5人に刃物で襲われ、体を切断される事件が起きたと報告した。
家族などに不名誉をもたらした処罰ともされる「名誉殺人」の犯行と見ている。事件はデラ・ガジ・カーン地区で起きたもので容疑者5人の行方を追っている。
地元警察によると、被害者の男性は女性に会いに行こうとして襲われていた。襲撃犯は腕、くちびる、鼻などを切断し、持ち去っていったという。おびただしい流血の中で倒れていた男性は病院に急きょ搬送されたが、数時間後に死亡した。
パキスタン国内で名誉殺人は多発しているが、結婚問題などで家族の意向に逆らった女性の犠牲者が多く、男性が対象となる事例はまれとしている。
同国パンジャブ州では今月15日、ソーシャルメディアで活躍していた25歳女性が実家で兄弟に絞殺される事件も起きていた。兄弟は犯行を認め、女性は家にとどまり伝統を固守するのが務めなどと供述していた。妹の殺害を悔いる気持ちは示していないという。
女性は自らを女性解放論者とし、フェイスブックでは約75万人のフォロワーを得ていたという。
パキスタンでは2004年、名誉殺人を国家に対する罪とみなす条項が刑法の中に盛り込まれていた。15日の事件の兄弟の裁判は、この条項に絡む罪状が適用される珍しい事例となった。同条項の適用は、仮に自らの両親が犯行を容赦したとしても兄弟は無罪放免にならないことを意味する。