タイ、国民投票で新憲法案を承認 軍の権限強化へ
タイ軍の最高司令官だったプラユット首相は、新憲法で民政復帰への道筋を付けると強調する。だが有権者の間では、軍政を正当化する手段との見方も根強い。
投票を済ませた46歳の男性実業家はCNNの取材に対し、「軍が起草した憲法案は承認できない。軍の望みは実権を握り続けることにある」と語った。
40歳の会社員の女性も反対票を投じたといい、「この憲法は国民ではなく、軍が選んだ人たちが起草した。国のためだと言われても、ごく少数の人たちがなぜ国を代表できるのか」と疑問を投げかける。
一方、初めての投票に足を運んだ18歳の女子大学生は、憲法案のことはよく分からないものの、バンコクは軍が実権を握って以来、平穏を取り戻し、大学にも通いやすくなったと実感していることから賛成票を投じたと話している。