「鉄の天井」を破った小池都知事、抱負を語る
小池氏は以前から「異端」の要素を持っている。若くしてエジプトのカイロ大学でアラビア語を学んだが、当時日本ではアラビア語はかなりマイナーな言語だった。「日本は均質な社会だから、変わったことや独創的なことをするととても奇妙に映る」「私は古い考え方に常に挑戦してきた」と小池氏は語る。
米大統領選の民主党候補、ヒラリー・クリントン氏になぞらえられることもよくある。小池氏はクリントン氏の選挙戦を称賛しつつ、「自分の選挙戦はたったの17日だった」「(米大統領選の長さは)考えられない」と語った。
小池氏はこれまで緊密な日米関係を重視する姿勢を示しており、11月の米大統領選で誰が勝っても日本は米国と連携していくとの見方を示した。安全保障は両国の協力分野の一つとなるが、特に2020年の東京五輪に向けた国際的なテロ活動の脅威については「準備を万端にする必要がある」「国際、国内の両面でテロに警戒しなければならない」と強調した。
東京五輪は小池氏が取り組む恐らく最大の課題となる。4年先のこととはいえ、五輪はすでにさまざまな議論を呼んでいる。メーン会場となる新国立競技場の建設は故ザハ・ハディド氏の設計案が工費の高騰で白紙撤回となり、遅れが出ている。公式エンブレムも盗作問題で撤回を余儀なくされた。
少なくとも問題のありかは分かっていると、小池氏は笑顔を見せる。「私は先任の方々よりもずっとラッキーだと思う。解決策を探すのはそれほど簡単なことではないが、最善を尽くすつもりだ」と力を込める。
小池氏は、五輪の開催費用がすでにばく大な額に上っていると指摘。今後は支出を抑え、よりコストパフォーマンスの高い五輪にしたいと意気込みを語った。