100年前に誕生、中国初の証券取引所は今 没落の歴史をたどる
北京(CNN) 100年以上前に金融の中心地としてにぎわっていた北京中心部の一画。中国初の証券取引所として知られる建物は今日、顧みられることなく老朽化が進んでいる。
現在、建物は低価格住宅として使われており、8世帯が入居している。住人の多くは歴史的な経緯を漠然としか知らない。住人の1人、シャオさんは「歴史的建造物に住んでいると感じたことはない。いつか倒壊するのではないかと心配だ」と話す。
シャオさんは7年前、結婚を機に建物の1階に入居した。住んでいるのは入り口付近の区画で、網戸から人々の往来に目を光らせている。隣人の物音や水漏れに悩まされることも多いが、今ではもう慣れたと肩をすくめる。
「北京証券交易所」が設立されたのは1918年。中国人が運営する証券取引所としては史上初だった。上海ではこれ以前から株式売買が行われていたが、運営を担っていたのは西洋や日本の組織だった。
だが取引は1948年に停止。49年に中国共産党が政権を奪取すると、株式売買は敵視されるようになった。その後、建物の所有者は次々に変わり、計画経済期には労働者向けの公共住宅として供与されていた。現在の持ち主は住民にも不明だ。