タイの連続爆発 2人拘束し聴取、背景に政治的混乱か
バンコク(CNN) タイの保養地などで11日から12日にかけて11回にわたって発生した連続爆弾事件で同国の捜査当局は14日までに、事件に関連して2人を拘束し、聴取していることを明らかにした。
ただ、タイ警察の報道担当者は2人の逮捕状は出ておらず、裁判所の承認を待っている段階と述べた。2人の背後関係は伝えられていない。
今回の事件は全国の5県で24時間にも満たない時間帯で立て続きに発生。4人が死亡し、30人以上が負傷した。爆発の多くは海岸リゾート地近くで起きた。
犯行声明は出ておらず、一連の爆発に関連性があるのかもわかっていない。ただ、タイ当局は今回の犯行と国際テロ組織との関係は否定している。警察は、事件には国内要因が絡んでおり、長引く政治的混乱が主因との見方も示した。
タイでは近年、タクシン元首相派と反タクシン派の対立が先鋭化し、政情が安定していない。現在はタクシン元首相の妹であるインラック氏が率いていた政権を2014年のクーデターで崩壊させた軍の強権統治が続いている。今月7日には軍政の影響力を残す新憲法案の是非を問う国民投票があり、承認されていた。
タイの首都バンコクでは昨年8月、観光地ともなっているエラワン廟(びょう)で爆弾テロ事件が発生し、20人が死亡していた。
観光業はタイ経済を支える基幹産業となっており、今回起きた連続爆弾事件による悪影響も懸念されている。