瓦礫の町で挙式、妹守って命落とした姉 イタリア地震の明暗
一方、同地から約20キロ南西のアマトリーチェではこの日、今年で50回目となるスパゲティー祭りが開かれているはずだった。
アマトリーチェの普段の人口は2000人。しかし祭りが開かれる週末を中心に、夏の間の人口は1万5000人に膨れ上がる。このため安否不明者の確認も難しい状況が続く。
地震発生から4日がたち、生存者の発見はほぼ絶望的となった。余震による倒壊を防ぐため、作業の重点は半壊した建物の取り壊しに移っている。
28日の作業は平年を大きく上回る34度の猛暑の中で行われた。数日後には暴風雨も予想され、堆積(たいせき)した土埃(つちぼこり)が泥沼と化す恐れもある。
アスコリ・ピチェーノの町では体育館が葬儀場となり、アルクアータ・デル・トロントで死亡した35人の棺(ひつぎ)が安置された。
司祭によると、そのうちの1人、ジュリア・リナルディさんという幼い少女は、妹のジョージアさんに覆いかぶさるようにして死亡しているのが見つかった。ジョージアさんは助かったが、ジュリアさんは妹を守って命を落としたとみられる。2人は互いに抱き合った状態で発見されたという。