マザー・テレサが聖人に 法王がバチカンで列聖式
カトリック教会の聖人や福者はほとんどが、死後何十年もたった後に列せられている。しかしマザー・テレサの場合、19年前に死去した直後から、聖人に列するための手続きを早めるよう求める声が強まった。
こうした声を受けて2002年10月、当時のローマ法王ヨハネパウロ2世が1つ目の奇跡を認定して「福者」に列した。今年3月にはフランシスコ法王が2つ目の奇跡を認定、マザー・テレサを聖人に列すると発表していた。
マザー・テレサは1910年にアルバニアで生まれ、50年にコルカタのスラム街で貧しい人たちの救済活動を始めた。白と青のサリーに身を包んで献身的に奉仕する姿は世界的に有名になり、79年にはノーベル平和賞を受賞。97年にコルカタで死去した。87歳だった。
その奉仕活動を巡っては、活動団体の会計処理や、奇跡とされた病人の治癒に関して疑問を投げ掛ける声も一部にはある。しかしマザー・テレサが創設した活動は世界中に広がり、欧州やアフリカ、北米、南米、オーストラリア、香港、ロシアにも支部が置かれている。