600人乗船の難民船が沈没、42人死亡 エジプト沖
(CNN) 難民や移民600人あまりを乗せた船がエジプト沖で沈没し、これまでに42人の遺体が収容され、約150人が救助された。エジプト当局が21日に明らかにした。中東通信によると、同船はイタリアへ向かう途中だった。
近くで漁業を営む男性によれば、これまでにも遭難した難民とみられる3~5人の遺体を見付けることはあったが、これほど多くの遺体を見たのは初めてだという。
沈没した船は漁船が21日に発見し、沿岸警備隊が駆けつけて捜索に当たった。救助されたのはほとんどがエジプト人で、スーダンやソマリアから来た人もいるようだという。
20日にはエジプト軍が、欧州を目指す船に乗船していた68人を同国北部マトルーフ沖で逮捕していた。
先週も同国海軍が2度にわたってエジプトから欧州に渡ろうとしていた人たちを阻止。さまざまな国籍の400人以上を逮捕した。
国際移住機関(IOM)によると、アフリカではナイジェリア、エリトリア、ガンビアから欧州を目指す人が多く、主にリビアなどアフリカ北部の国から地中海を横断するルートでイタリアを目指す。
しかし満員の船を使った航海は危険が大きく、命を落とす人が後を絶たない。
IOMの8月半ばの推計によると、今年に入って海路で欧州にたどり着いた難民や移民は26万4513人。ほとんどがギリシャかイタリアに漂着した。
航海の途中で死亡した人は3165人に上る。このままのペースで推移すれば昨年1年間の3771人を上回る見通しだという。