エチオピアで非常事態宣言 長引く反政府デモ受け
(CNN) エチオピア政府は9日、国内全土に6カ月間の非常事態を宣言した。政府に対する抗議活動が数カ月にわたり続いていることを受けた措置。
エチオピアで非常事態宣言が出されるのは、現在の与党が25年前に政権に就いてから初めて。
エチオピアのハイレマリアム首相は国営メディアを通じ、抗議活動が激化したことを受け、秩序を回復するための措置を取ったと説明。同国で起こっている人命の喪失やインフラなどの破壊について内閣で徹底的に協議した結果、非常事態の宣言に至ったとしている。
抗議に加わっているのはエチオピアで最大の民族集団であるオロモ族。オロモ族は同国の人口1億人のうち少なくとも3分の1を占める。数十年にわたり不遇を受け、最近は政府がオロモ族の農地で開発事業を促進して緊張が高まっていた。
非常事態は8日に発効。地元メディアによれば、同国の当局者が最大州であるオロミア州の大半の地域で携帯端末によるインターネット接続を遮断したほか、ソーシャルメディアにアクセスできないようにした。
エチオピアでの抗議は2日、オロモ族の祭りで52人が死亡したのを契機に激化した。同国の活動家は当局発表の52人という死者数に異議を唱え、治安部隊が群衆に発砲するなどして500人以上が死亡したとしている。
一方、政府高官は犠牲者の遺体に銃創は見当たらず、一斉に人が逃げ出す中で犠牲が生まれたとの見方を提示。治安部隊側が実力を行使した事実はないと述べた。