ロシアの空母機動部隊、北海から英国海峡へ 軍事力示威か
北大西洋条約機構(NATO)のストルテンベルグ事務総長は20日、同空母戦闘群の今回の航路に絡み懸念を記者団に表明。ロシアには公海を使う権利は当然あるとしながらもこの時期に地中海に向かう意図をいぶかり、シリア北部で空爆にさらされ市民多数が閉じ込められているアレッポ市への攻撃強化に参加することへの懸念を示した。戦闘群が地中海に接近すればNATOの海軍戦力が監視する通常の措置を講じるとしている。
ロシア唯一の空母であるアドミラル・クズネツォフの機動部隊が地中海に展開するのは過去にもあった。ジェーンズの編集責任者は同空母の今回の出動について艦載機の円滑な発着などを試す機会と位置付けている可能性にも言及。アドミラル・クズネツォフのような設計の空母からの発艦などは難しく、それだけ十分な訓練が必要としている。「ヘビーメタルのロックに合わせて普通のバレエを踊るようなもの」とも形容した。
ロシア国防省は今月10日、シリア・タルトゥスにある海軍施設を改善し、恒久的な拠点にする計画を明らかにしていた。