フィリピン大統領、また対米批判 「争い始めたのは向こう」
(CNN) フィリピンのドゥテルテ大統領は25日、日本への公式訪問を前に首都マニラの空港で演説し、米国への反感を改めてあらわにした。
ドゥテルテ氏は先週、北京での講演で米国との決別を宣言。帰国後、関係断絶という意味ではないと釈明していたが、この日の演説では「争いを始めたのは向こうだ」などと、またしても米国を攻撃した。
今年5月に実施されたフィリピン大統領選の期間中、米国のゴールドバーグ駐フィリピン大使から人権問題で非難されたことに言及。侮辱的な俗語で米国に呼び掛け、「我々を飼い犬のように扱うな」「私に首輪をつけて、届かない場所へパンを投げるようなまねをするな」と発言したことについても、先に人権問題を持ち出した欧米側に非があると説明した。
これまでに離脱を示唆している米国との防衛協力強化協定についても、改めて「国内にフィリピン人以外の兵士を置きたくない」「私が望むのはだれかに従う必要のない、独立した政策だ」と語った。
同氏はヤサイ外相との間で発言を慎む約束をしていたが、この日の新聞を読んで気が変わったという。新聞を掲げて、自身の発言がビジネスに悪影響を与えると書かれた見出しを読み上げ、「それなら出て行け」と明言。外国資本がなくてもフィリピンはやっていけるとの見解を示した。
これに先立つ24日、ドゥテルテ氏は日本のメディアとの記者会見に応じた。その中で南シナ海問題をめぐり、先日の訪中では中国との関係に配慮して、フィリピン側の主張を認めた国際仲裁裁判所の判決は話題にしなかったと説明した。ただしいずれは中国と話し合う必要があるとの考えを示した上で、日本やインドネシアなども関わる多国間の問題だと付け加えた。