パリとブリュッセルのテロ、仏当局が統括者を特定
ベルギー当局は9月の時点で、アタル容疑者が西欧のどこかに潜伏しているとの懸念を抱いていた。8月にブリュッセル市内にいたとの情報もある。司法筋によると、ISISはシリアやイラクでの形勢悪化を受け、欧州へテロ実行要員を多数送り込んでいるという。
アタル容疑者にはイラクの刑務所に入っていた前歴がある。2005年に同国で拘束され、07年に不法入国で有罪となった。米軍監督下の刑務所を転々とするなかで、後にISISの指導者となるバグダディ容疑者と出会った可能性がある。
10年に獄中で体調不良を訴え、ベルギーの弁護士や家族、人権団体などの呼び掛けで赤十字の医師による治療が実現した。人権団体が主張したような重病ではなく、腸の感染症だった。12年9月に釈放され、ベルギーへ送還されていた。