WHO、ジカ熱の緊急事態を解除 長期取り組みも強調
(CNN) 世界保健機関(WHO)は18日、南米大陸など中心に広がっていたジカウイルス感染症(ジカ熱)やこれに付随する小頭症に関して、もはや国際的な懸念につながる公衆衛生上の緊急事態に相当する状態ではないとの判断を示した。
WHOはこの緊急事態を今年2月に出していた。ただ、WHOのジカ熱対策の緊急対策委員会責任者であるデービッド・へイマン博士はジカ熱に対処すべき重要性は変わっておらず、長期の取り組みが必要との認識を示した。
WHOは今年4月、ジカ熱と感染した妊婦から生まれた新生児の小頭症、成人におけるギラン・バレー症候群の関連性を初めて認めていた。ジカ熱の主要な感染経路はネッタイシマカなどとされ、性行為を通じても感染が拡大するとされている。
緊急事態の宣言撤回の理由についてへイマン博士は、蚊の繁殖時期が世界の一部地域で終了し、ウイルスの感染が減速していることなどを指摘。その上で、全ての風土病と同様、今後も季節によって出現する可能性があることに注意を促した。WHOは今後、専門的な委員会を創設し、研究やワクチン開発などを続けるとしている。
ジカ熱の症例はこれまで60を超える国や地域で報告されている。小頭症やジカウイルスと関連付けられる他の神経性の合併症は少なくとも28カ国で発生。確認された小頭症は2300件で、多数がブラジル内で起きた。実際の数字はより多いとも受け止められている。
米疾病対策センター(CDC)はWHOの緊急事態解除を受けた声明で、妊娠している女性はジカ熱の感染が起きている地域への旅行を控えることが依然重要と勧告した。