イスラエルで山林火災が多発、「放火テロ」を警戒
ただ、消火作業などが進んだこともあり同日にはハイファの全住民が帰宅することが許された。同市のヤハブ市長は24日、民家700棟が焼損もしくは全焼の被害を受けたと報告した。ハイファでは前例のない火災被害としている。
火災はナタフ、エルサレム西部にあり農業共同体社会を築く地区や主要都市テルアビブなどでも報告された。25日午後に出火していたエルサレム西部の火災では、火勢を食い止めることが出来ず約100世帯が避難していたという。
山林火災の多発を受けネタニヤフ首相は世界各国に救援を要請。ロシアのプーチン大統領は同首相との電話会談を受け大型の消防用航空機2機の派遣に同意した。トルコやイタリア、クロアチア、キプロスも支援を申し出た。米国の防火関連企業も消火用に改造された大型機のボーイング747をイスラエルに向かわせたという。
パレスチナ自治政府の民生防衛当局者は、イスラエルの要請を受け、消防車8台を24日に提供したと述べた。
今回の大規模火災に伴い、イスラエル議会の一部議員や地元メディアがその原因をパレスチナ側になすりつける動きも生まれている。ソーシャルメディア上ではパレスチナ住民の火災に関する書き込みも目立ち、イスラム教徒に礼拝を呼び掛ける拡声器使用を禁じる法案がイスラエル議会で審議されていることに絡んで神の処罰と断じる投稿もあった。火災を歓迎するかのような書き込みに対してはアラブ系住民からも被災地に住むパレスチナ系住民も被害者になっていることを踏まえた批判も出ている。
イスラエルでは2010年にも大規模な山林火災が起き、40人以上が死亡していた。