伊国民投票、憲法改正案を否決 レンツィ首相が辞任表明
今回の国民投票は、欧州全土にポピュリズムが広がる中で実施された。フランスの右派政党、国民戦線のマリーヌ・ルペン党首はツイッターへの投稿で、「イタリア国民はEUとレンツィ首相を拒絶した。国家の自由と保護を熱望するこの声に耳を傾けなければならない」と主張した。
改正案は、イタリア議会の複雑な仕組みを改める目的で上院の定数を315人から100人に減らす内容だった。しかし反対派は、上院の定数が削減されれば下院の権限に対する重要なチェック機能がはたらかなくなると主張していた。
中道左派のレンツィ首相は景気低迷からの脱却を掲げて憲法改正を訴え、否決されれば辞任すると表明していた。もし改正案が可決されていれば、ユーロ圏で3番目の経済規模を持つイタリアの政治環境は激変も予想されていた。
しかし銀行が多額の不良債権を抱える中で憲法改正案が否決されたことにより、同国経済の安定性は一層揺らぐ恐れもある。