「クリスマス盗んだ」、玩具380万点差し押さえに批判 ベネズエラ
ベネズエラ・カラカス(CNN) 経済危機が深刻化しているベネズエラでこのほど、玩具の流通業者がクリスマスに向けて価格のつり上げを謀ったとして、消費者保護当局が380万点あまりの玩具を差し押さえた。
この措置に対しては、多くの家庭がプレゼント用の玩具を買えなくなるとして批判も噴出。ソーシャルメディアではマドゥロ大統領や同国政府を「クリスマスを盗んだグリンチ」と呼ぶ声も広がった。
差し押さえられたのは同国の玩具流通最大手クライゼル・ベネズエラの商品約380万点。同社の倉庫で8日から差し押さえに着手し、捜査の一環として少なくとも2人を拘束したという。
政府は当初、押収した玩具の数を480万点としていたが、11日に382万1000点に修正した。
消費者保護当局は記者会見で「同社が我が国に対する詐欺をはたらいた」と述べ、押収した玩具は貧困地域の家庭向けに市場価格よりも安い値段で提供すると説明した。
クリスマスを2週間後に控え、今回の玩具差し押さえがベネズエラの玩具市場にどんな影響を及ぼすかは分からない。
同国政府によれば、問題の玩具の中にはクライゼルが2008年に買い上げて倉庫で保管した後に売り出し、2万5000%もの利ざやを稼ごうとしていたものもあったとされる。