イタリア大統領、次期首相にジェンティローニ外相を指名
(CNN) イタリアのマッタレッラ大統領は11日、先週辞任したレンツィ首相の後任にジェンティローニ外相(62)を指名し、組閣を要請した。
マッタレッラ氏とジェンティローニ氏は大統領府で1時間にわたり会談した。ジェンティローニ氏は会談後の記者会見で、組閣要請を受け入れたと述べた。組閣に成功すれば、議会の承認を得て正式に首相に就任することになる。
同氏は会見で、レンツィ氏の政策を継承し、新たな選挙法の成立を実現すると表明した。正式な新政権を一刻も早く樹立し、イタリア中部地震の被災地復興をはじめ外交や経済、社会分野の優先課題に取り組む必要があるとの認識を示した。
イタリアのメディアは一斉に、ジェンティローニ氏がレンツィ氏に近い人物だと指摘した。スタンパ紙は、同氏が「レンツィ氏に非常に忠実」である一方、手法や性格は「正反対」だと報じている。
ジェンティローニ氏はジャーナリスト出身で、2001年に議員初当選。06~08年にはプローディ政権で通信相を務めた。
同氏が組閣に失敗した場合は解散総選挙となる可能性がある。そうなれば、国民投票で憲法改正反対を掲げた新興政党「五つ星運動」の躍進が予想される。国外からは同党を率いる元コメディアンのベッぺ・グリッロ氏について、政権に就けば国民投票を経てのユーロ圏からの脱退、さらに欧州連合(EU)離脱も検討するだろうとの懸念が出ている。