アレッポ、政府軍攻勢で市民の殺害報告相次ぐ 決死の避難も
現地の救助団体「シリア民間防衛隊(通称・ホワイトヘルメッツ)」は国際社会に対し、ボランティアのメンバーや市民がアレッポから脱出できるよう安全な避難路を確保してほしいと要請。ツイッターを通して「シリア政府は5年前から我々を殺そうとしてきた。そのチャンスを今、かれらに与えないで」「子どもの泣き声や助けを求める声が聞こえるのに、我々には何もできない」と訴えた。
同団体のメンバーがCNNに語ったところによると、政府軍が新たに制圧した地域からは、大量の市民がほかの地域へ逃げ出そうとしているという。
一方シリアの国営メディアは、政府軍が「テロの残党」に対する掃討作戦を展開していると主張。政府軍に制圧された地域の住民が喜び合う様子と称する映像を流すなど、反体制派とは正反対の報道を繰り返している。
国際社会が試みた停戦の仲介は失敗に終わり、懸念は強まる一方だ。国連の潘基文(パンギムン)事務総長は声明で、女性や子どもを含む多数の市民に対する残虐行為が報告されていると述べた。
ローマ・カトリック教会の声明によると、フランシスコ法王は12日、シリアのアサド大統領に対してメッセージを送り、国際人道法の尊重を呼び掛けた。